カープの新外国人助っ人でクローザー候補のランディ・ジェイ・ジャクソンは、スピードボールを武器にしながら打たせて取るピッチングで省エネ投法を理想としている。
早く帰宅して家族との時間を過ごしたいからとコメントしているが、試合時間短縮はNPB(日本野球機構)が抱える大きな課題の一つだ。
試合時間の短縮の課題が全く改善されないNPB
NPBは、何年も前から試合時間の短縮が叫ばれている。
実際に平均試合時間(9回終了時)を調べてみると、1996年以降、3時間を超えている。
1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 |
2:59 | 3:07 | 3:09 | 3:14 | 3:12 | 3:14 | 3:15 |
2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 |
3:08 | 3:13 | 3:19 | 3:13 | 3:10 | 3:14 | 3:09 |
2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 |
3:08 | 3:13 | 3:06 | 3:08 | 3:17 | 3:17 | 3:13 |
野球は間のスポーツ、考える時間や相手との読み合いからの攻撃やバッテリー間でサインが出されるので、個人的には試合時間が長いのはそれほど気にならない。
しかし、スタジアムに足を運んだ人の帰宅時間や、地上波でプロ野球が中継されなくなった理由の一つに、21時以降の番組との兼ね合いがあると言われてもいるので、改善は必要だ。
(その昔、試合が早く終わり、余った放送時間で珍プレー好プレーや往年の記録の映像を流すことがあったのが、そのようなVTRも嫌いではなかった。)
MLBとNPBの試合時間の差は野球の質の違い?
2015年、日本プロ野球の試合時間が3:13であった一方、MLB(メジャーリーグ)では2:56と3時間を切っている。
MLBは、イニング間を通常2分25秒、打者は完全に打席を外してはならないなどの「時短ルール」が導入されたことが3時間を切る平均試合時間になったようだが、実はNPBでもこのルールは採用されている。
NPBではイニング間2分15秒以内としており、MLBよりも短い。
(投手交代時は2分45秒。)
また、「打者は、思うままにバッタースボックスを出入りする自由は与えられていない。球審は、打者が理由なくして打者席から離れることを許してはならない。」と公認野球規則 6・02(打者の義務)で定義されており、これを厳格に適用するとなっている。
実際に厳格に適用されているようには思えないが、ここが試合時間短縮のポイントかもしれない。
おそらく、MLBは力勝負でそれほどバッテリー間のサイン交換に時間を要す事無く、日本は細かな野球をするので、サインも細かく、試合時間に差が出るのだと思う。
1イニング平均4人の打者が入るとして、9イニング表裏で72人。
1人当たり15秒短縮できれば72人で、15×72=1080秒=18分短縮でき、3時間を切る試合時間になる。
簡単なようだが15秒は長い。
NPBに取っては難しい問題だ。
野球の質を変えて時短だけを考えれば、日本野球の良さが消えてしまう。
MLBでは投高打低の傾向を是正することの対策として、ストライクゾーンを広げる案が出ている。
これも、試合時間が長かったら考える事の出来ない案だろう。
MLBがストライクゾーンを広げればWBCに向けてNPBも追随した方が良いのだろうが、NPBの試合時間を考えれば、日本ではストライクゾーンは簡単には広げられない。
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