野球が東京オリンピックに復活するかどうかでマスメディアではとても盛り上がっている。
私はオリンピックに野球は不要と思っているが、仮に正式に競技化された際、統括するのは侍ジャパンになるのだろうか?それとも全日本野球協会なのだろうか?
侍ジャパンはプロの組織であり、オリンピックはアマチュアの祭典
2014年11月、株式会社NPBエンタープライズが設立された。
事業内容は侍ジャパンの収益化活動。
NPB(日本野球機構=プロ野球)と12球団が共同出資して設立された会社である。
完全なるプロ、収益団体であり、事業の中心となる侍ジャパンはMLB(メジャーリーグ機構)が主催するWBCなどの参加・世界一奪還が一番の目標だ。
一方、オリンピックはアマチュアの祭典と言われる。
最近ではプロの参加が認められている競技も増えたが、アマチュアリズムが基本思想にある。
例えばフィギュアスケートは、オリンピックに出るためにアマチュアとして努力をし、その後プロスケーターになってショー的な場に移っていき、アマチュアとプロが明確に分かれている。
(実際にはトップ選手にはスポンサーが付いており、明確にアマチュアとは言えないだろうが。)
野球は1984年のロサンゼルスオリンピックから公開競技から始まり、1992年のバルセロナオリンピックから正式種目となった。
2000年のシドニーオリンピックからプロの参加が認められているが、オリンピックの野球代表を束ねていたのは「一般社団法人全日本野球協会」である。
オリンピックはアマチュアの大会ということもあり、プロ野球側は協力する形。
2008年北京オリンピック、2009年WBCと1年以内に2大会があったが、ユニフォームが異なるのは取り仕切っている協会が異なっているからでもある。
2008年北京オリンピック |
2009年ワールドベースボールクラシックWBC |
侍ジャパンのホームページを見ると、発足して間もないこともありオリンピックについての言及は少ない。
一般社団法人全日本野球協会の沿革を見ると、WBCに関する記述は一切ない。
しかし、侍ジャパンとして参加した2014年9月の第6回IBAF女子野球ワールドカップでの優勝や、11月に行われた第1回IBAF 21U ワールドカップで準優勝したことは大きく伝えられている。
各種アマチュア主催の大会にも侍ジャパンが協力するという形がベースになっている(なっていく)ようだ。
野球界ではアマチュアとプロフェッショナルの溝が大きいと言われているが、年々その溝も埋まりつつある。
国際大会を通じて、その溝がますます埋まっていけばと思う。
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