2016年&2017年セパ共に200投球回到達者がいない!2000年以来計3回目の珍事で分業制の影響大!

その年の一番優れた先発投手に贈られる沢村栄治賞、通称沢村賞。

沢村賞には7項目の選考基準があり、その中の一つに投球回がある。

200投球回到達者がセパ合わせて誰もいなかった年は計3度!

沢村賞の選考基準は以下の7項目。

◆登板試合数:25試合以上
◆完投試合数:10試合以上
◆勝利数:15勝以上
◆勝率:6割以上
◆投球回数:200イニング以上
◆奪三振:150個以上
◆防御率:2.50以下

近代野球において、この7項目を満たす投手はほぼ出てこないだろう。

分業制が進んでいるので、特に1シーズンに10完投以上を記録する投手は出てき辛い。

その他の項目は、同一投手でなくてもシーズン中に誰かが記録するものと思っていたが、2016年・2017年とシーズンは200投球回に達する選手が誰もいなかった。

2000年以降のセパ両リーグの最多投球回を投げた投手は以下の通りである。

セントラルリーグ パシフィックリーグ
2000 M.バンチ(中日):184 前川勝彦(近鉄):173
2001 野口茂樹(中日):193.2/3 松坂大輔(西武):240.1/3
2002 井川慶(阪神):209.2/3 N.ミンチー(ロッテ):230.1/3
2003 上原浩治(読売):207.1/3 清水直行(ロッテ):204.1/3
2004 井川慶(阪神):200.1/3 新垣渚(ダイエー):192.1/3
2005 三浦大輔(横浜):214.2/3 松坂大輔(西武):215
2006 三浦大輔(横浜):216.2/3 斉藤和巳(ソフトバンク):201
2007 S・グライシンガー(ヤクルト):209 涌井秀章(西武):213
2008 S・グライシンガー(読売):206 岩隈久志(楽天):201.2/3
2009 石川雅規(ヤクルト):198.1/3 涌井秀章(西武):211.2/3
2010 前田健太(広島):215.2/3 金子千尋(オリックス):204.1/3
2011 前田健太(広島):216 ダルビッシュ有(日ハム):232
2012 前田健太(広島):206.1/3 成瀬善久(ロッテ):200.2/3
2013 R.メッセンジャー(阪神):196.1/3 金子千尋(オリックス):223.1/3
2014 R.メッセンジャー(阪神):208.1/3 則本昂大(楽天):202.2/3
2015 大野雄大(中日):207.1/3 則本昂大(楽天):194.2/3
2016 R.メッセンジャー(阪神):185.1/3 則本昂大(楽天):195
2017 M.マイコラス(読売):188 菊池雄星(西武):187.2/3

2000年(135試合制)と比較して、試合数は増えている2016・2017年シーズン(143試合制)。

それでも投球回数が減っているのは、やはり分業制の影響が大きい。

先発投手が投球回を食えていないという事は、そのしわ寄せはリリーバーにやってくるのだが、どちらが良いものなんだろうか?

肩・肘を消耗する投手も増えてきており、投球回の妥当性はどこにあるのかどんどん分からなくなっていくことだろう。

近い将来、沢村賞の選考基準も変えていかなければ、実態とかけ離れた賞になってしまうかもしれない。

もしくは、毎年該当者なしになるのだろうか・・・

 

 

関連記事:
    None Found


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.