2016年シーズンを持って東北楽天ゴールデンイーグルスから戦力外となった長谷部康平と山内壮馬。
2人は杜若高校の同級生であるが、揃って戦力外通告を受け、共に現役引退を表明した。
良き友であり、良きライバルの2人、不思議な糸で繋がっているようだ。
エースを争い切磋琢磨していた高校時代から共に戦力外通告を受けた楽天時代まで
長谷部康平と山内壮馬は共に愛知県豊田市にある杜若高校出身の同級生。
「かきつばた」と読む私立の高校である。
甲子園出場経験はないが、近鉄・オリックス・ヤクルトで活躍した田中祐貴など、プロ野球へも数名輩出している。
また、リオオリンピックでカヌー競技で銅メダルを獲得した羽根田卓也の母校でもある。
長谷部康平と山内壮馬は左右のダブルエースとして、背番号1を争いながら切磋琢磨していた。
2年生の春、長谷部康平が背番号1を付けるも、秋に左肘を痛めて背番号1を山内壮馬に譲る。
その後、3年春までは山内壮馬投手が背番号1を付けていたが、夏の大会には長谷部康平が背番号1を取り戻し、最後の夏に臨んだ。
順調に準決勝まで進むも、そこに立ちはだかったのが、1学年下の森福允彦擁する豊川高校。
0-3で敗れて最後の夏が終わる。
この年の夏、愛知県代表となったのは、主砲堂上剛裕を擁する愛工大名電である。
高校卒業後、長谷部康平は愛工大、山内壮馬は名城大に進学し、愛知大学野球リーグでの戦いに場を移す。
大学時代に特に注目されたのは長谷部康平。
2007年末に行われた北京オリンピックアジア予選で、アマチュアから唯一選出された。
アジア大会前に行われたドラフト会議で中日、広島、ロッテ、西武、楽天の5球団から指名され、東北楽天が交渉権を獲得し、入団。
長谷部康平を獲得できなかった中日ドラゴンズは、杜若高校時代の同期である山内壮馬を外れ1位で指名・獲得した。
ドラフトにおいても、奇妙な関係性がある2人である。
長谷部康平はプロでは伸び悩む。
山内壮馬は、2012年にローテーションに入り規定投球回をクリアして二桁勝利を上げたものの、活躍できたのはこの1シーズンのみ。
そして、2015年オフに中日ドラゴンズから戦力外通告を受けた。
その後、東北楽天のテストを受け、13年ぶりに長谷部康平とチームメイトになったのである。
それでも2016年シーズンはお互いに結果を残すことができず、共に戦力外となり、現役引退を表明。
高校時代に切磋琢磨してきた2人が、最終的にプロで同じチームとなり、同時期に戦力外・現役引退するストーリーは聞いたことがない。
まだ31歳と若い2人、第2の人生も良き友として切磋琢磨しながら頑張ってほしいと思う。
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