プロ野球中継を見ていると、たまに「隠れ首位打者ですね。」という言葉を聞く。
規定打席に到達していないものの、打率が首位打者の選手よりも高いケースに使われるが、実は規定打席に達しなくても首位打者になれるのはご存知だろうか?
プロ野球2軍やメジャーでは認定首位打者が生まれた事がある!
首位打者は規定打席に達しないと獲得できないかと言われればそんなことはない。
規定打席に足らない分を全て凡打と計算しても、首位打者の選手より打率が良ければ首位打者に認定されるのだ。
シーズン中は隠れ首位打者と呼ばれることが多いが、正しくは認定首位打者である。
(野球規則10・22(a)には以下のように明記されている。
「規定打席の例外規定として、規定打席に満たない場合に不足分の打席を凡打として加算し算出された打率が規定打席到達者の打率1位の値を上回れば、規定打席未到達でも首位打者と認定される。」
日本のプロ野球で認定首位打者が誕生したことはないが、2軍では過去9人が認定首位打者となっている。
年 | 名前 | 球団 |
1970 | 坪井新三郎 | 中日ドラゴンズ |
1972 | 長井繁夫 | ヤクルトアトムズ |
1986 | 吉川弘幸 | 阪神タイガーズ |
1997 | ジェームス・ボニチ | オリックスブルーウェーブ |
2002 | 川崎宗則 | 福岡ダイエーホークス |
2006 | 狩野恵輔 | 阪神タイガース |
2008 | 新井良太 | 中日ドラゴンズ |
2011 | 銀次 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
2016 | 井上晴哉 | 千葉ロッテマリーンズ |
特に近年、認定首位打者となった選手は1軍で活躍している選手が多い。
2軍で規定打席不足になるのは、ケガの影響よりも1軍に上がった影響が多いだろうから、1軍で活躍する理由も頷ける。
日本の1軍では規定打席不足ながら首位打者となった選手はいないが、メジャーリーグでは存在する。
年 | 名前 | 球団 |
1996 | トニー・グウィン | サンディエゴ・パドレス |
2012 | メルキー・カブレラ | サンフランシスコ・ジャイアンツ |
但し、メルキーカブレラはこの認定を辞退している。
同年、規定打席に達しなかったのは、ドーピング検査でテストステロンに陽性反応を示した為に出場停止処分になっていたからであり、認定首位打者となることを自ら拒否したのである。
但し、メルキー・カブレラは規定打席に1打席少なかっただけで、仮に規定打席に達していたら首位打者表彰を受けていたのだろうか?
メルキー・カブレラの一件もあり、メジャーで認定首位打者になっているのはトニー・グウィンただ一人である。
トニー・グウィンは、規定打席に4打席足りなかった。
日本で認定首位打者が誕生することがあるのだろうか?
投打二刀流の大谷翔平は、投手としての役目を果たす為に規定打席に到達することは困難だ。
しかしながら、認定首位打者で打者タイトルを獲得することも有り得るかもしれない。
投打のタイトルを獲得することがあれば、正に漫画のようなストーリーである。
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