千葉ロッテマリーンズを戦力外になった中後悠平、テレビ番組にも取り上げられていたが、その後メジャーのダイヤモンドバックスとマイナー契約を結んでアメリカ挑戦している。
3Aまで上がってきたが、日本時代に苦しんでいた制球難を克服しつつあるようだ。
日本とメジャーでは制球面に相関関係はない⁉
中後悠平は、千葉ロッテ時代に25.1/3イニングを投げて23四球・4死球とイニング以上の四死球数を記録するほど、制球面に不安がある投手であった。
それがアメリカに行った後に制球面が克服しているようだ。
⇒ 3Aでストライク率70% ロッテ戦力外の中後、11戦無失点で防御率0.00継続
このような変化が生じたのはどこに理由があるのだろうか?
日本とメジャーのボールを比較すると、メジャーのボールは滑りやすく、制球し辛いというのが一般的な話。
現に、松坂大輔やダルビッシュ有などは、日本時代と比較して与四死球率が大きく悪化している。
松坂大輔 | ダルビッシュ有 | |||
年 | 与四死球率 | 年 | 与四死球数 | |
日本時代 | 1999-2006 | 3.57 | 2005-2011 | 2.72 |
メジャー | 2007-2014 | 4.92 | 2012-2014 | 3.93 |
共に1以上数字が悪くなっている。
もちろん、黒田博樹や上原浩治のように日本時代と変わらずコントロールしている投手もいる。
黒田博樹 | 上原浩治 | |||
年 | 与四死球率 | 年 | 与四死球数 | |
日本時代 | 1997-2007 | 2.58 | 1999-2008 | 1.36 |
メジャー | 2007-2014 | 2.25 | 2009-2015 | 1.54 |
上原浩治の制球力は驚異的である。
これらの投手は、渡米時にそれほど制球面に課題があった投手ではない。
しかし、中後悠平のように制球面に課題があり渡米してメジャーで活躍した投手がいる。
岡島秀樹だ。
野茂英雄 | 岡島秀樹 | |||
年 | 与四死球率 | 年 | 与四死球数 | |
日本時代 | 1990-1994 | 5.19 | 1995-2006 | 4.47 |
メジャー | 1995-2008 | 4.62 | 2007-2011 | 3.29 |
野茂英雄も比較の為に入れてみたが、岡島秀樹のメジャーでの制球力の克服ぶりが顕著である。
日本時代は松坂大輔やダルビッシュ有よりも悪かった与四死球率が、メジャーでの数字は彼ら2人を上回っている。
中後悠平もそうだが、彼らには日米のボールの違いよりもメジャーでの考え方が合うのだろう。
メジャーではストライク先行が意識付けられていて、初球にど真ん中に投げてホームランを打たれても、コーチはそれほど厳しいことを言わないらしい。
初球に打たれるのは出会い頭と言う考えがあるからだ。
日本では初球の入りに気を付けろと言われるので、考え方が真逆。
そうした考えをベースに、岡島秀樹や中後悠平は精神的にも落ち着いて投げられるようになったのが、与四死球率の向上に影響しているのではないだろうか?
そして何より、日本時代に制球面に課題があった投手と契約するメジャーリーグのスカウトの眼力に驚く。
日本球界をクビになった男が、マイナーから這い上がってメジャーに昇格したら、正にアメリカンドリームだ。
中後悠平がメジャーで登板する日を楽しみにしていたい。
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