第98回全国高等学校野球選手権大会で静岡県の代表となった常葉菊川高校。
森下知幸監督が御殿場西高校の監督になる為に7月末で辞任するので、甲子園では指揮を執らないとのことであったが、撤回された。
高校野球の監督は当該高校の先生である必要はない!
森下監督の辞任の報道が出て数時間後、関係団体が慰留をしていると報道が流れた。
関係団体ってなんだ?と思ったら高野連だった。
「地方大会と全国大会(甲子園)は同一の大会なので、監督の変更は特別な理由がない限り不可能」と通告し、森下監督は甲子園でも指揮を執ることになった。
高野連が通告した内容、そのような規約がどこかにあるのだろうか?
監督がそのまま甲子園にいける事になったのは喜ばしいような話だが、一旦辞任と聞いた選手はやり辛いだろう。
特に2年生以下の選手からは、新チームからはいない監督と認識されれば、求心力はなくなるはずだ。
今回、このような問題が浮上したのは、7月末辞任、8月から新任校で指導すると言う契約が絡んでいる話があるからだ。
甲子園出場を前提としていない契約であるのが気になるが、そもそも学校の先生でないからできる契約。
学校の先生であれば、3月末に前任校を退任して4月頭から新任校で授業を受け持つ。
その中に部活動もあるので、特に公立高校であれば監督の交代は4月になるのが通例だ。
しかし、今回このような事態が発生したのは、先生ではなく監督としての契約だからである。
高校野球の監督は当該高校の先生以外でも可能で、実は誰でもなれる。
(元プロ野球選手の場合は、プロとアマ双方の研修会を修了し 資格回復の申請をする必要あり。)
先生として授業を教えている学校とは別の高校の監督になることも可能である。
部長と呼ばれる責任教師は当該高校の教師でなければならないが、監督は教員免許も必要ない。
公立高校でも稀にOBの大学生が監督をしていることもあれば、八重山商工の伊志嶺吉盛監督のように学校外の人物が監督になっているケースもある。
しかし、実際には予算(給料)の問題で私立高校のように監督業だけのために契約すると言うのは難しい話だ。
森下監督の経歴を見ると大学には進学していないので、教員免許は持っていないと思われる。
いわゆる職員としての契約で、実態は監督業のみの契約内容になっているのではないだろうか?
御殿場西高校はその名前から公立高校っぽいが実は私立高校。
長らく甲子園から遠ざかっており、森下監督の静岡県東部に自宅に戻りたいと言う意向とマッチしての契約になったのだろう。
甲子園終了後には常葉菊川を離れ、御殿場西高校の監督に就くと思う。
公立高校ではあり得ない、お互いが私立であったから出てきた話である。
私立高校では、夏の大会後に監督が交代するケースは少なくない。
2015年に勇退した横浜高校の渡辺元智監督も、夏の神奈川県予選で敗退後にユニフォームを脱いでいる。
そして新監督に就任したのは、同校でコーチ・部長を歴任していたた平田徹氏。
内部昇格であれば何の問題もないだろう。
今回の件を受けて、8月頭に外部から監督を招聘するケースはなくなっていくのではないだろうか。
2018年2月から、高校野球ファンにはお馴染みの鍛治舎巧さんが母校である県岐商の監督に就任する事になった。
公立高校である県岐商でどのような立ち位置になるのだろうか?
完全にボランティアなのかもしれない。
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